
【概略】
名門寄宿制女子学校アップルヤード・カレッジの生徒たちは、郊外の岩山ハンギング・ロックに女教師に引率されてピクニックへ出かけたが、その中の数人の生徒とひとりの女教師が姿を消してしまう。傷だらけで戻ってきた生徒の一人が発見されたが彼女は他の生徒も教師の行方も覚えていなかった…。
ドラマ
.5★★★☆☆
幻想的な世界観と西洋の神隠し的な要素が絡み合って、あの午後のまどろみのような何ともいえない気だるさが思い起こさせられる。
思春期の少女たちの感受性が瑞々しく描かれており、神秘的でさえもある。まるで、歳を取らない妖精のよう。
彼女らが、創作した詩を読んでいる様子からも、まだ成熟していない少女たちであることがわかる(詩の内容が愛についてで少し傲慢であるゆえ)。
キャラクター的に言えば、やはり孤児セーラが崇拝するミランダを同じく象徴的な憧憬の目線で視ることができるか否かで、結構この作品の評価は変わるかもしれませんね。 美人のミランダ(↓)

人知を超えたSF的失踪話なのか、事故なのか、殺人なのか、カルト教団に連れ去られたのか、わざと謎を謎のままに敢えてわからないようにしているのが逆に神秘性を強く構築していると思う。
突っこんで言ってしまえば、「なんでお嬢様学校のピクニックが呪われた岩場なのさ!」って感じです。
映画は全て謎のまま、残された人々の喪失感が続いていく。少女たちが行ってしまった岩山の美しい風景を、幻想的な調べの中にゆらめいて映し出していくだけである。


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