
【概略】
イスラエル北部の町マグダラで暮らすマリアは、男性原理に支配された社会で苦しい思いをしながら生きていた。そんなある日、イエス・キリストに出会い彼の起こす奇跡を目の当たりにしたマリアは、神に仕えることを決意。家族のもとを離れ、イエスや使徒たちとともに神の教えを伝えながら旅を続ける。やがて死者をよみがえらせたイエスは、救世主として民衆から崇められるようになるが…。
製作年:2018年
製作国:イギリス/アメリカ/オーストラリア
収録時間:120分
ジャンル:ヒューマン・ドラマ
日本語吹替:あり
.0★★★☆☆
新約聖書に登場する聖女マグダラのマリアを主人公に描いた伝記ドラマ。
ルーニー・マーラがマグダラのマリア、ホアキン・フェニックスがイエス・キリストを演じてます。
それは長い間、罪深い娼婦だと言われ続け、イエスの使徒の聖女だと認められたのが最近の事であるマグダラのマリア。イエスの妻とも言われてましたよね。そのマリアを主人公にしたヒューマン・ドラマです。
ローマ・ヘロデ朝に支配されていたユダヤ人居住地域の圧政の最中、破壊や殺戮が普通のなかで「愛」や「赦す」ことを主張するイエス。彼に心酔しそして更に惹かれていくマリア。
すぐさま主の信を得るマリアを(女だからというのもあって)煙たがっていたものも弟子の中に勿論いた。
ペトロ(キウェテル・イジョホーが演じてる)とともに伝道をはじめたマリアは、サマリアで病で逃げられなかった捨てられた人々に水を与える。最期を看取る。主の話で「あれは憐みだった」とペトロとマリアの信頼が深まるところは良かった。
聖母マリアに再会した時に、イエスがニコッと笑うんですが、その笑顔は可愛らしかった。
そしてエルサレム。不穏な空気満載。聖書を知らなければ、イエスのその奇跡も伝道も、え、こんな簡単に始まって終わるの?って思ってしまいそう。そのくらいかなり端折り過ぎてはいた。
イエスが自分の死を視てたり、弟子の中でも、自分の望んだ形の信仰しか受け入れられない者もいた(ユダ)。
イエスは言う。「マリア、お前は私の証人だ」
ユダの「裏切り」も解釈違いと言う話。神の国が降りて愛する死者に再び会えると望んだ形が、師の死だったとは皮肉(これで師も神の国を現すしかなくなる、と言ってた)。イエスの言う神の国はユダのそれとは違ったのだから。
復活したイエスが最初にマリアに会ったのも、信仰の真意を理解してたり(感覚を「初めて聞かれた」と言っていたのもあったね)、とても信頼していたからだろう。マリアが弟子たちにそれを伝えれば「それはしるしだ。」とは理解してもらえるものの、神の国が炎や血から出ると思っていた軍人らのような心持ちでいた他の皆には理解がすぐに及ばなかったのだ。
神の国はもうある。ただ、愛と赦しをひとりひとりが心に持ち続ければ、それはすでに神の御心の中なのだと…。
死人を生き返らせたりはしたものの、イエスの有名エピソードをドーンと次々もってくるって感じではなく、あくまでマリアの話として進むので地味目に展開しては行くんですが、意外とホアキン@イエスが似合っていた…。
ルーニーとホアキンのカップルは素敵だ…。(映画と関係ない)
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