
【概略】
湖に浮かぶ緑濃い小島。外界から閉ざされた空間で植物とともに暮らす植物学者のもとに、1976年の唐山地震で両親を失い、孤児院で育った女子学生、ミンが実習生として赴任する。遅刻したミンは到着するなり植物学者から怒鳴られ、翌日には薬草と毒のあるトリカブトを間違えてまた怒鳴られる。落ち込むミンをなぐさめたのは、植物学者の娘、アンだった…。二人の許されざる愛が迎える衝撃のラストとは?
製作年:2006年
製作国:カナダ/フランス
収録時間:98分
ジャンル:ラブロマンス
日本語吹替:あり
.0★★★☆☆
籠の中の鳥(ヒロイン2人)が、自由に羽ばたいていく話でしたね。
同性愛のラブストーリーなんだけど、なんか舞台が中国っぽくない。サウナの中のような高温で湿めった感じのする熱帯が舞台で、どうやらベトナムっぽい??製作国も、カナダとフランスの合作だし、中国では同性愛がタブーだったからだろうか。
特に二人の恋に事件が起こるわけではなくて、なんとなく惹かれあっていく過程が描かれましたが、娘アンでさえも偏屈な植物学者の父にそれとなく抑圧されていて(8時に朝食を作って父親に持っていったら「私は朝食は7時半に食べる」とか言われちゃう)、ミンとアンはすぐに親しくなっていく。この狭い世界で二人だけが小鳥だった。
とはいえ、突如入浴中のラブシーンとかあって、二人がくっついちゃうのが「…ん?」と言う感じではある^;
でも植物学者は息子であるアンの兄とミンを結婚させようと思ってるのさ。案はそれに納得がいかず、寺院で泣いたりしてたんだけど、ミンが迎えに来て、笑顔に。
「一生離れない為には?(何羽の鳩を飛ばすのか)」「108、仏法の経典の数と同じ。」
結局、士官の兄と結婚すれば、一生同じ家で暮らせるわ!と兄との結婚を勧めるアンに「あなたしか愛さないわ」と告げるミン。そして二人で鳩を飛ばす。
とはいえ頭ではわかってはいても、感情はそうはいかない。結婚式の日、泣き通しのアンと、彼女を探して庭園に来たミンは、「あなたに貞操を捧げる」とお互いに言う。
ハネムーンでは、処女じゃない事でアンの兄のタンは激怒、ミンを文字通り天井に吊るし上げて傷つけた。
その後は、上の空なアンと、幼い頃母親に呼ばれてた自分の名前を思い出した事でメンタルが強くなった(ようにみえる)ミンが、愛し合ってるところを、植物学者は目撃しちゃうんだよね。
「悪魔め!」とミンにとびかかろうとする父親を後ろから殴りつけたアンだけど、その事で植物学者は心臓が弱かったので発作を起こしてしまうの。
結果的に、亡くなる直前に警察官に語った植物学者の父親の証言で、裁判所に連れられる二人は、死刑に。
孤児院の院長先生にあてた手紙に、院長の証言への感謝とお願いが書かれていた。死刑で使われる銃弾の支払い(こんなのも遺族支払いになるのか…)と、アンと自分の遺灰を混ぜてあの寺院の湖に撒いて欲しいというもの。
父親を助けなければ良かったのか…と思うと、家族であるアンが父親の発作を見捨てられずだった事が、二人の運命を分けたんだなあと、何とも言えない気持ちに。
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