
【概略】
同性愛が禁止されていた第2次大戦後のフィンランド。帰還兵のトウコは筋骨隆々な男たちが性を謳歌する絵を描き、欲望を発散していたが…。
製作年:2018年
製作国:フィンランド/スウェーデン/デンマーク/ドイツ
収録時間:116分
ジャンル:ヒューマン・ドラマ
日本語吹替:なし
.0★★★☆☆
ゲイアートの先駆者‘トム・オブ・フィンランド’こと、トウコ・ラークソネンの半生を描いた伝記ドラマ。
同性愛者の主人公トウコは、愛を獲得するのにとても前向きな性格をしていて、勿論公園で相手を見つけて行為をしていて警察に捕まりそうになったり、モーテルでの相手に財布をとられたりもしますが、基本、自分を卑下していない。ここ大事よね。
世話になってる妹の知人のダンサーの美青年二パに出会って「会った事がある」と言い続け、キスの距離まで近づいたり、強いまなざしで見つめたり…その何とも言えないその熱情と力強さに二パも惹かれてしまったのかな。
「トウコ、絵を発表しなよ」二パがそう言う。
しかし、ゲイアートっていうから、淫靡な感じのものかと思えば、それは、実にカラッとした太陽の下を舞台にしたような明るい印象を受けます。下品でも淫靡でもなく美術ですね。
性欲のはけ口や不安などにより描いたというよりは、理想の愛や単に芸術的に美しいものを描いたような感じ。カリフォルニアとかサンフランシスコとか、その明るい陽光のイメージ。
実際、アメリカにわたり、その自由な気風に(ゲイがいても当たり前、捕まったりしない。警官がたくさん来ても、それは強盗を捕まえるためだった)トウコは驚いてしまうんだけど、祖国では逃げる日々だったからね。
差別されいじめられてきた彼らゲイを、「君が彼らを美しくした」と言われたりもする。
二パは咽頭癌だった。どうして教えてくれなかった?に、苦労を掛けると言われ、君のための苦労など…と返すトウコ。
小さな個展をひらいて、ファンもいるという状態で、妹に自分の絵の真実を見せるのだけれど、直後にダグから電話で同性愛が危険視されていると知らされる。それは、勿論あの病気です…エイズ。
「コンドームをつけよう」と書かれた絵や今まで描いた絵を印刷して本にして、ついにサンフランシスコで個展をすることになる。
91年にトウコは死去。トム・オブ・フィンランドは永遠に生き続けるのだった、という終幕でした。
大尉、二パ、ダグ、ジャック、様々な男たち。トムというペンネームがインパクトないからって、編集者が勝手に「スウェーデンにしたら?」に「フィンランドのほうがアレがでかそうだろ」ってトム・オブ・フィンランドにしたの、めっちゃ「それな」だった。
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