
【概略】
スペインのバルセロナに住むアルゼンチン人ノーベル賞作家ダニエル・マントバーニは、故郷の田舎町サラスからの招待を受け、40年ぶりにはるばる帰郷する。国際的な英雄の帰郷に湧き上がるサラス。彼は「名誉市民」の称号を与えられ、人々から温かく迎えられる。青春時代を過ごした田舎町、あいかわらずの級友たちとの昔話、初恋の人との感傷的な再会…。ところが、彼を取り巻く事態は、いつの間にか思いもよらぬ方向へと転換しはじめ、とんでもない悲喜劇の渦にのみこまれる…。
製作年:2016年
製作国:アルゼンチン/スペイン
収録時間:117分
ジャンル:ヒューマン・ドラマ
日本語吹替:なし
.5★★★☆☆
ブラックなヒューマン・ドラマかな。
主人公のマントバーニが、傲慢なところのある人だなと、序盤の秘書との会話を聞いてて思った。勿論冒頭のノーベル賞授与のスピーチも傲慢そのものだったけど、それは作家という芸術を生み出すものの一種の苦悩にも見えたから。
故郷のサラスでは、最初はまあ、マントバーニも常識人的な対応をしているので良かったんだけど、次第に不穏な空気に。
というか、自分の絵を落選にされた腹いせにいやがらせをしてくる男性…え?って感じだし、息子の車椅子を電動にしたいので金をくれと言ってくる人(結局、送った)、マントバーニの元カノと結婚した幼馴染…誰と知らずにその娘(講演会で質問してきた女子学生)と関係をもってしまったマントバーニ。
光栄だ!サラスの名を広めてくれた偉大な作家だ!と名誉市民賞をくれた故郷サラスの人々が、実は自分に反感を持っていると気づくのが、遅かった。元カノにそれを指摘されるまで、この傲慢で自信家のマントバーニは、そこまで深く考えてなかったんだろう。
自分よりも成功した人を妬むという気持ちが誰にでもあり、マントバーニは知らず田舎の故郷を馬鹿にしていた。
これ、マントバーニはどうかはわからないけど、早く(各行事が)終わってくれと願わずにいられない居たたまれなさ。
いや、コンクールのスピーチで言ってた通り、彼はある意味安心していたかも。
「夫と狩りにいってはダメよ!危険だわ!」と元カノが逃がしてくれようとするんだけど、結局「狩りの約束だろ」と、幼馴染につかまってしまう。足元を銃で撃たれて逃げ回るマントバーニを、銃で撃ったのは幼馴染の息子だった。
死を悟るんだけど、でも結局この体験をマントバーニは本にするんですよね。作家魂さまさまだわ。
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