
【概略】
鉄道運転士・ヌルランの列車は、人々が日常を過ごす住宅街を通る。定年退職の日、最後の運転を終えた彼は、列車に引っ掛かっていた青いブラジャーを見つけ…。
製作年:2018年
製作国:ドイツ/アゼルバイジャン
収録時間:90分
ジャンル:コメディ
日本語吹替:なし
.5★★★☆☆
1枚のブラジャーをめぐって交差する人生模様を全編セリフなしで描いたハートフルコメディ。
む?アゼルバイジャン…って何?と思って検索したら、国の名前だったのです。コーカサスの地方にある、北はロシア、北西はグルジア、西はアルメニア、南はイランと国境を接して、東はカスピ海に面する国なんだって。
これ誰の洗濯ブラジャー?ってところから話ははじまるのですが、セリフが一切ないので、物語自体は想像するしかありません。
それにコメディとはいえ、そんなクスクス笑える話でもなく、ヒューマン・ドラマに近いです。
冒頭色んな女性がブラジャーを洗っているシーン。そして干すシーン。
青ランプがつくたびに、住宅の真ん中のレールの上を走りホイッスルを吹く少年。電車が来たぞー!と教えてるんですね。列車が住宅街のすぐ側を通るので、こりゃ危険だわ。線路上はテーブルをおいてゲームに興じたり、洗濯ものを干したりする生活の場のようでした。家スレスレに走るので、アッ危ない!なシーンも。
一応主人公はいるものの、ある青いブラジャーを巡る人間模様を描いている感じです。
定年退職するヌルランが運転するまさにその最後の運転の日、青いブラジャーが、車体にひっかかってしまったのです。何故彼がこのブラの持ち主を探そうと思ったのかわからないけれど、とにかく彼は持ち主を探そうとします。
その青いブラをつけてウッフンする同僚運転士が笑えた。
ブラ事情はアゼルバイジャンも日本もさほど変わらないのかもしれません。
ただ、他人の前で奥様が、台詞はないよ、でも「あなたのブラジャーですか?」「違うわ。ほらサイズが違うでしょ」という風に、ブラをわざわざつけて見せてるシーンは、これはさすがに日本ではありえない(笑)
線路上の家を一軒一軒訪ね歩くヌルラン。「このブラジャー、あなたのですか?」まるで、シンデレラの靴の話のようでその様子は可笑しい。
後ろのホックがサイズ的に留められなかった女性は、無理やりピンでとめて「ほら私のよ」みたいに…何で欲しがるのよ(笑)
売り子が簡単に家に招かれるのをみて、ヌルランはブラジャーをたくさん買って、なぜかまるで売り子のように家を訪ねていく。なんでここまでするの?(笑)
セールスマンと人妻の昼下がりの情事みたいになるとこも笑った(夫を亡くしたばかりの未亡人だったけど)。
耳が宇宙人みたいな電車ホイッスル少年の瞳も印象的。風に舞うブラジャーも。…いや、ブラジャーそんな飛ぶかい?ワイヤー入ってないとしてもさ。
最終的に、少年と一緒にレントゲン車を乗っ取って、ブラがぴったりあう女性を探す…。
まあ、そんなこんなしていると、怒った女性たちの夫たちがヌルランを襲撃…!殴られて蹴られて動けなくなったヌルランをレール上にチェーンで縛りつけちゃうんです、恐ろしい。
当然走るホイッスル少年がそれを見つけるんだけど…両手足を縛られてるヌルランを助けようと、小さいノコでチェーンを切っていくんだけど…勇気あるな、この少年。おかげで両手は自由になったので、電車が来て少年をレールの側から離すように突き飛ばし、当の本人はレールの中に隠れてやり過ごすという…。ヌルランと少年は心から良かったと抱き合い…。唯一の味方だよ、少年と仲良く暮らしてって欲しい…!
結局ブラジャーの持ち主といえば…あの人でした(笑)
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