
【概略】
ある日、父親によって家族全員が殺される凄惨な事件が起こる。悪魔払いの依頼を受けた霊媒師のリンは、父親に取り憑いた悪魔を魚の体内に閉じ込めるが…。
製作年:2018年
製作国:台湾
収録時間:114分
ジャンル:ホラー
日本語吹替:なし
.0★★★★☆
恐怖の神話が「真話」になった。
ビビアン・スー主演、呪われた魚の伝説が現代に甦るダークファンタジーホラー。
いや、主演じゃなくないか?
虎爺なる人物が数々の魔神を封じたといわれている土地・蘭譚(ランタン)が舞台。
霊媒師のリンはある一家惨殺事件の容疑者の父親ホンの悪魔祓いで、虎爺が降臨しなかったため窮地に陥ったが、なんとか死んだ魚に移すことに成功する。でも弟子たちの後始末がずさんだったよね。魚を捨てただけだった。焼いて消し炭にしてしまうとかしないのか。
悪魔祓いを撮影していた二人組の少年が、その魚の口から出た魚を水筒に入れて持ち帰る。ぶーちゃん(愛称だよ)じゃないほうの少年ジャハオの精神科に通っている母親が、ビビアン・スー。
ホンの家には風水が施されていて、リンは知人の刑事と施した風水師を訪ねるが、引退して山へ入ったという。
リンは家族は4人じゃない、苦難を抱えた5人目がいたはず…と確信。実際、ホンの家に隠された部屋があって、どうやら希少疾患を持つ少年がいたようだった。アディ(奇病の少年)の乳母代わりになっていた老婆の話を聞くと、少年はその身に奇病により皮膚が醜くなっていて、疎まれ生きている事すら望まれていないようだった。
一方ジャハオの母親は幻覚に苦しんでいたんだけど、それが精神疾患によるものなのか魔神が憑りついた魚が見せたものなのか…と鑑賞者にわからなくなる効果はありました(ま、ホラー作品だから後者なのはわかるけども)。
母親の奇行に、結局、ジャハオは魚をリンのもとへ帰し、ようやく主要人物が一堂に会す事に。
アディは生きたまま埋められて、魔神がその怨念を力に変えて利用しているのだった。山の中で、虎爺の力を借り、哀れな少年の魂を救おうとするリンと、一方で魔神に憑りつかれながらも音楽会でピアノ演奏しているジャハオの母親。その旋律が、体育館を阿鼻叫喚の図へと変える。
仲間や弟子たちが次々に襲われ、逃げるしかなかったリン…彼は病床にある亡き妻への祈りを無視した虎爺を許せなかったのか、腕の術式にも傷をいれ、多分それよりも、虎爺を心から信じることができなくなっていたんだろうね。それからリンの身には虎爺が降臨することはなかったよう。
やがて、母親を探すジャハオと共に、リンは山でアディの人骨を見つける。ここちょっと笑っちゃったんだけど、リンに降臨した虎爺ってまさに「虎」なのね。虎拳みたいになってた。祓いっていうかアクション?(笑)
ジャハオ少年の母への愛は良かった。「どんなに変わっても、ママは僕のママだ!」骨がきしむほどに抱きしめられるも、ジャハオはそう叫ぶ。
結局、虎爺により封印されてた大魔神が、アディの怨念によって蘇ったという展開。
吹っ飛ばされたリンは木に貫かれて、残された幼い息子に虎爺が降臨する。そしてリンのもとにも、ついに虎爺が降臨、「虎爺よ、我に降臨したまえ、邪悪な鬼たちを、一匹残らず殺し不浄な気を追い払え」
封印するっていうか魔法陣と黄金の虎がどうみても悪霊に飛んで行ってバーン。好き。
母子愛と父子愛が一緒になった作品で、ジャハオ側と、(とくに)リン側は良かったね(亡き妻が遺した約束、幼い息子ジュンカイの無垢なる心)…リンは亡くなってしまうのだけど、大魔神を倒すことに成功。母親を取り戻したジャハオ。
だけど、最後がちょっと意味が分からなかった。3人の得体のしれない人物。続編あるよーな終わり方?魔神さんたちが次々蘇ってるの?
リンの腕を合わせてつくる術式の魔法陣と共に虎爺解放シーンはほんと良かった。あんなの好きに決まってる。
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