
【概略】
祖先の勇者パイケアがクジラに導かれこの地へ辿り着いたという伝説を語り継ぐマオリ族。彼らは代々男を族長として村を守り続けてきた。ある時、族長の長男は女の子を授かる。娘は伝説の勇者と同じ名前パイケアと名付けられ、祖父母のもとで育てられる。パイケアが12歳になった時、村では彼女と同年代の少年たちが集められ後継者育成の訓練が始まる。しかし、女であるパイケアはその訓練への参加を許されなかった…。
製作年:2003年
製作国:ニュージーランド
収録時間:101分
ジャンル:ファンタジー
日本語吹替:あり
.0★★★☆☆
パイケア(パイ)役の少女がとても健気。純真なその瞳と笑顔にやられました。そうなんだよね、長の継承者じゃなくて、ただ、祖父に認められたかったんだよね。
悪い意味での「慣習」に縛られてた祖父。
伝統武術のタイアハを元名人の叔父に習い、歌も聞き覚える。そんなパイを祖父は叱り遠ざける。
マオリ族としての自覚と誇りをもった純粋なパイケアに、クジラたちが共感というか、寄り添ってくれたのだろうか。
しかしパイの祈りは届いて、クジラたちが陸にあがってしまう。「私の願いが叶ったせいだ」とパイは思うのだけれど、それは同時に、伝統を失いつつあるマオリ族を現しているようだった。
凄く悲しい場面。徹夜で男たちが海水をかけ続けてなんとかクジラたちは命を長らえているような。ただ、群れの一頭を海に戻してやれば他のクジラも戻る…と祖父はみなに指示を出すのだけれど、みなが諦めかけたとき、パイは、クジラの上に乗り、…海へ。
結局、少女の成長譚ではなく、一族のみなが力をあわせれば希望は見える…というラストからして、ほとんどのことが解決していない。どうせファンタジーなら、ホエール・ライダーになってザブーンみたいなシーンがあればよかったのに…とも思う。
結果的にパイは以前祖父が話してくれたロープの話を忘れなかった。ひとりの英雄なんていなくてもいい。預言者も現れなくていい。みなが団結すれば。パイはそう思ってた。ただ、祖父の気持ちは変わったと思う。
アンパンマンじゃないけれど、何のために生まれて…何のために生きるのか。パイはもう答えを持っていたと思います。
コメント
細かいことは忘れてしまったけど、タイトルを聞くとぱっと「あれのことだな」と思い出せるくらいには印象に残ってます。なんとなく意味深な雰囲気だったのは覚えていて、内容を理解できてなかったかもしれない…。
「モアナと伝説の海」を見る時にもこの作品を思い浮かべていたけど、まあ全然違いますよね(汗)
こんにちは!
結構昔の作品&あまり広く知られてない 映画だったりするんですが、
さすが、宵乃さん!
そうそう、私もモアナ見たときにこれを思い出しました。
あれはマウリ族…でしたっけ?
とくに相手を威嚇するため目を見開きながら踊るところとか…印象に残ります。(笑)
学校で全国的に見ても優秀な成績をおさめたパイが、発表するときに、
来て欲しかった祖父が来ていないことで涙を流しながらスピーチするところも良いシーンでしたね!
現代人として、民族とか伝統とかをあまり考えずにみると、長の孫として色々な役回りをしてたパイケアが長になればまるっと解決…とも思うのですが、そうもいかないのでしょうね。