ヒューマン・ドラマ

瞳の奥の秘密

n_620tdv21002rapl.jpg
【概略】
ブエノスアイレス――刑事裁判所を引退したベンハミンは、忘れ難いある事件を題材に小説を書き始める。それは、1974年に結婚間もない女性が殺害された残虐な事件だった。妻を奪われた銀行員の夫の深い愛情に突き動かされたベンハミンは、判事の制止を振り切り、犯人を捜し始めた。あれから25年。タイプライターを前に自身の人生を振り返るベンハミンに、上司だったイレーネの存在が鮮やかに甦る。彼は事件の裏側に潜む謎と、イレーネへの想いに向き合うことを決意する。果たして、ベンハミンは失った歳月を取り戻すことが出来るだろうか?
ドラマ

.0★★★★☆
サスペンスフルというよりは、大人のラブストーリー的でありますが、どんでん返しもあるし小気味良い終幕でした。
ゆっくりした展開ですが、とくに眠くなることなく惹きこまれました。
それは凄惨な事件でした。「暴行事件」ときいて軽い気持ちで現場にいったベンハミンが一瞬で言葉を失うような。新婚間もない美しい女性リリアナ・モラリスが血だらけ痣だらけ傷だらけ凌辱された裸体をさらしていた。彼女の体は冷たくなっていた。
同僚がみつけてきた「犯人」は暴行を受けて自白させられてたものだった。ベンハミンは必ず犯人をあげると躍起になる。
でもさー「目は口ほどにものを言う」っていうけど、沢山の写真の中でいつも彼女だけを見ているというある男性の「視線」で…ってのはちょっと心もとない感じはする。とはいえ、ベンハミンも上司の女性イレーネに一目ぼれして想いを寄せていて、写真の中で彼女をみつめているシーンがあった。彼女は気づいてなかったが、鑑賞者はちらっとみえたその写真に「アッ」て思わされるし、若いって事なんだなあとも思える。
リリアナの夫は、「妻の死が彼の時を永遠に止めた」と言われるくらい、毎日何時間も犯人を捜していた。「死刑よりも、終身刑にすべき」とも言っていた。これに感動したベンハミンは、捜査の再開を言い出すが、手紙の謎の文章も、酔っ払いの相棒が言う「好きだから」という台詞から、サッカー好きの飲み仲間から文面の謎を得て、犯人は家族も住所も何でも変える、けれど「変えられないものがある。情熱だ」という言葉通り、サッカーのスタジアムで容疑者イシドロ・ゴメスを見つける(これさすがに無理でしょ^;針山ですよ)。
イレーネがわざとリリアナを売春婦扱いしたり、美人の彼女はあなたなんかには高嶺の花だったとか、色々と挑発することで、自白が出て逮捕にこぎつけた。事件は終わったかにみえた。しかし服役中に情報屋として動き、ゴメスは刑が軽くなり出所。更に酔っ払いの相棒が殺されて、狙われたベンハミンはイレーネと別れ、安全なフフイに移ることになった。ここの別れのシーン、あまりにも愛することを遠慮しすぎてベンハミンとイレーネの両想いの関係がわかるものの、もどかしかったなー。
25年たった現在、モラリス(夫)に自分の恋愛を重ねているのか、執拗に尋ねるベンハミンは痛々しかった。そして、しまいのモラリスの告白に「えッ!」更にそのあとのベンハミンの推理に「えッ!」ってなり…。モラリスがいつかいっていた、終身刑にすればよいという言葉、あれが伏線だったんですね。一言も発せず、ただ25年間監禁して。
本物の愛、という言葉が過去のシーンであったけれど、本当に本物の愛だったんでしょうね。美しいリリアナ。彼女を失った事で、夫は時が止まった。
関連記事
ジャンル: 映画
テーマ: 映画感想
( 最終更新日: 2019/12/26 Thu )
  • コメント: 2
  • トラックバック: 2
ランキングに参加しております。 ご協力お願いいたします。

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

にほんブログ村 映画ブログ B級映画へ

シェアする

コメント

  • fjk78dead
  • URL

これを見たのが9年前。流石に見た事だけしか覚えていない。映画は何だか私の中で得体の知れない栄養素になってるみたいです。まあ、勿論すんげ前でも覚えてるのもあるけど。

To fjk78deadさん こんばんは。

もう9年前なんですね
それだけたってると、
タイトルに聞き覚えがある…あらすじ言ってみて?ああ、なんか観た事ある…
と言う感じになりますよね!

コメントの投稿








管理者にだけ表示を許可する