
【概略】
1897年、イギリス領のインド北部には、辺境部族を警戒する砦が築かれ、英国軍とシク教徒が警備をしていた。下士官・イシャルは僻地の砦の司令官を命じられるが…。
史劇
.5★★★☆☆
1万人の軍勢に包囲された孤高の砦を守る21人の勇者たちの戦いを描いた歴史アクション。
インド近代史に残る伝説の激闘「サラガリの闘い」を、映画史上初めて映像化。
英国とシク教徒が組んでたんですね~とか、この辺の歴史全然興味なしなので当然このサラガリの闘いも知らず。
新しく僻地の通信基地に配属されたイシャルは司令官になるのだけど、それば女性の命を命令違反で助けた左遷でもあった。
ここサラガリ砦を守る21人とイシャルは、食事と鶏の一件で互いに信頼を得、絆を強めていく。
それにしても、あのターバン、シク教徒の尊厳の象徴だったのですね。死よりも布を取られることを恐れる。
パシュトゥーン人らが包囲する中、別砦からの指令は「放棄せよ」それに笑う隊の面々。もう腹は決まっているのだ。「誰のために戦いますか」モスクを立て直してあげたりイシャルを英国人の奴隷のように内心思っていた隊の面々は、ケサリ(サフラン)色のターバンを巻いて現れるイシャルの言葉に、それぞれ納得し、真理を得、共に戦う事を誓う。インドの土は腰抜けを生むと、英国人に馬鹿にされた事を話し、「私は一人ではない、自らの命を捧げた幾百万の勇士がついている。気高く戦った勇士が。」
サフラン色の反撃をする!…という気概はいいのだけど、ほんとに21人と相手側1万↑なわけです。まず生き残れない。本当は「放棄」ではなく、「待機せよ」との中佐からの通信だったのを、イシャルは嘘をついてた。「独立のため」というのは、ちょっと勝手かな~とは最初に思ったんだけれど、21人の戦士が勇敢に戦ったという美談ではなく、自らの意志で自らの死を選んだ、という事が戦士にとっては何よりも誇りであるのだろうと思い直した。
いわば、隊の戦いは、時間稼ぎなのだ。敵の目的は3砦の攻略、しかし自分たちが時間を稼げば、他の砦は陥落しない。
「勇猛であれ、シク教徒よ」
夕方まで砦を死守すれば、援軍も到着するので勝機は見込めるのだ、それに他の砦の準備も整う。
即興でスナイパーライフルを作って(単眼鏡を銃につける)スナイパーを撃つとこは良かったよね。あと足で敵の首をゴキっと折ってしまうところとか。
布を押さえるための輪っこがあるじゃない、あれなんか刺さってるようにもみえるよね、と思ってたらやっぱり武器の一つなのか。円圏みたいな。
イシャルの「寝ぼけたやつめ」のあとに、「待て!」と出てきた、ターバンに触れさせないしお前を忘れないと約束した敵の司令官のひとり、凄く格好良かったよね。黒ターバンの人。「今日の戦に負けた」とか、ちゃんと戦況やイシャルたちの戦いの意味をわかってるし。
ラストの戦を怖がっていた通信担当の青年が、イシャルの「勇敢であれ」の言葉に、通信塔を燃やされながらついには自分が燃えながら「神の真理を唱えし者、永遠なる恵みを得ん!」と叫ぶ声が、他の砦に聞こえてたシーン、泣けた。
コメント