
【概略】
地元の生活に嫌気が差していた20歳のカタリナ。コンサートホールでアルバイトを始めた彼女は、既婚者のアダムに惹かれていくが…。
ドラマ
.0★★★☆☆
アリシア・ヴィキャンデル初主演作です。
薬中&アル中の母親、自分も体を売って生活していたという荒んだ過去を振り切り、コンサートホールの受付の仕事を得たカタリナ。人生を変えるチャンスを得、ドキドキしながらカウンターに座って電話応対する時の笑顔がたまらなく魅力的で、その姿がとても初々しくて可愛らしく、面接で嘘ついたのもどうでもよくなるくらい。
そんなカタリナに目を付けたのが、オーケストラの指揮者アダムで、正直カタリナとは住む世界が違う雲の上の人でした。
アダムにとっては、コンサート曲が思うようにいかないのとか、楽団員たちとのコミュニケーションもいまひとつだったりと、諸問題を抱えていて、そんななか、教養のある身からすればさしたる事ではない知識を少しひけらかすだけで、可愛らしい20歳のカタリナが、一喜一憂する…そうとてもピュアな感性を持っていることに、驚きと共にとてもいい気晴らしの相手を見つけたのでしょうね。
…でも!鑑賞者はみてます、アダムがカタリナに目を付けたときから、体目当てだったってこと。
仕事場でも評価されて正規雇用の道も拓けたカタリナの人生が輝きだしたのと同様、輝かんばかりの美しいカタリナに欲情し続けるアダム。
カタリナは一途にアダムに本気で愛されていることを信じているわけです。恋人とも別れる決意をし、そもそもきちんと女性として扱ってもらった事もきっと皆無だった事だし、カタリナが教養あるアダムに恋するのは仕方がない。
でもそれを利用して、スランプから抜けると「君も楽しんだろ」とカタリナと手を切るのに必死なアダムの姿には「このクソ男!」と思わんばかりでした。なんせせっかく頑張ってた仕事も、カタリナと手を切りたいアダムは無理矢理彼女をクビにしてしまうのですよ。
ただ、作中で母親の指摘通り、カタリナは自分を特別視してる部分もあって、それはモーツァルトにはまってクラシックを好きになってから、低所得者友人の集まりにも自分の居場所はここではないというのを勝手に思い込んでるような節もあったのよね。
自業自得なのがねえ。突き落としたい気持ちはあっても、ほんとに突き落とすのは…。アダム殺しの犯人としてカタリナは疑われないのが謎。マリーだって当日ここにカタリナが来てた事を知ってたのに。
スウェーデン語でピュアは「美しいもの」という意味だそうです。ラストで職を取り戻した彼女が見せる笑顔は、たしかに何よりも「ピュア(美しいもの)」ではありましたが、その笑顔の裏にはなにかを決断し乗り越えた女性の顔もありました。
カタリナを演じたアリシア・ヴィキャンデルの姿がとても可愛らしくて、この年でこの貫禄…!と色々な意味で興味深かった話でした。
コメント
最後は、ああなった…んでしたっけねえ。
あんな奴は、それでいいんじゃないの、と思ったことでした。
基本的に、女子を応援しますんで(笑)。
待ち伏せ…というのが最終的に癇に障ったのでしょうかね
でも雇用をやめるってのは卑怯ですよね!
男の性でしょうか、映画としてはこれでもよいですが
現実世界だと、ちょっとヒロイン怖いなあと思いましたヨ