アクション・SF・歴史・パニック

空海-KU-KAI-美しき王妃の謎

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【概略】
1200年以上前、日本から遣唐使として中国・唐へ渡った若き天才僧侶・空海。あるきっかけで知り合った白楽天という詩人(のちの白居易)との交流を深めていく中、世界最大の都・長安の街は、権力者が次々と奇妙な死を遂げるという、王朝を震撼させる怪事件に見舞われる。空海は、白楽天とともに一連の事件を探るのだが―。
史劇

.0★★★☆☆
僧侶「空海」が、詩人「白楽天」とタッグを組み、楊貴妃の死の謎に迫るという壮大なストーリー…いや、私は普通に僧侶・空海の中国での歴史ドラマが観たかったけどね。
しかし、これ主役は空海じゃないね?猫だね?猫っていうか実は元は人なんだけど、怪事件や楊貴妃の謎に関する重要な台詞や物事は、ほとんど猫がメインで、空海は狂言回し的な。てか最後まで見て思ったんだけど、これ中国はいいけど、日本ではどう売っていいかわからなかったのではないか。
チェン・カイコーがこだわったらしい建設期間6年の長安の映像は良かった。
しかし挿入歌とかが余計。くっそさぶい。この寒さは何だと思ったら「君の名は。」状態を思い出した。それで調べたら、同じアーティストが歌ってやんの。えー。
あと、日中共同制作とは言え、基本は中国映画なのです。要は、説明がいっさい省かれている。日本人がある程度日本の歴史を知っているのと同様、中国人が自国の歴史を知っているのは当然なので、そのため阿倍仲麻呂の日記を紐解いていく後半の回想シーンで、一体何が起こっているのかが非常に把握しづらかったです。それがずっと続きます。
例えば、「極楽の宴」にて、靴を脱がせたり(李白・高力士)、詩を書いたり(李白)、踊ったり(安禄山)、その翌日に戦乱が起こって(安史の乱)、その後にも歴史上の人物が現れ(楊国忠の生首、陳玄礼)、白楽天が作っている「長恨歌」の説明すら一切なかったりと、多くの日本人には「?」のシーンがあったと思う。
でもこれって多くの日本人達が、「敵は本能寺にありー!!」と武将が叫んだら「あぁ、これは明智光秀の謀反…」などとわかるように、楊貴妃の死の直前の出来事は、中国人にとっては説明不要の一般常識なんだなと思いました。というかそういうことですよね?
単なる、栄華の儚い夢のようなものが妖しく映えはしましたが、それ(楊貴妃を愛した男たちの物語)を歴史エンタメにするには、なんだかどこか魂がないような、何かが足りない…虚しい感じがしました。ある意味でそれが狙いなのかな?諸行無常ですよね。
終盤にパタッと黒猫が倒れるところは、その想いの丈にぐっとはきたんですが…。それと、結局幻術使いの鶴の片割れが、密教の人だったってところは、ちょっと幻術スイカ売りからしてわかりやすすぎるんじゃねーのとは思った。
結局、謎に迫るというよりは、そう仕向けていた猫が主役の(中国でのタイトルも妖猫伝ですし)せつない系の話で、楊貴妃に憧れ慕った男たち(主に少年二人)の数奇な運命が肝なのかな。というかそう思わないとモヤモヤが止まらない。(楊貴妃が棺の中で指から出血するほど生に執着したことはなかったことにされてるけど。)他人の妄想を見てるような妙なウズウズ感はあった。
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ジャンル: 映画
テーマ: 映画感想
( 最終更新日: 2019/09/15 Sun )
  • コメント: 2
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コメント

  • fjk78dead
  • URL

染谷くんは「パンク侍、斬られて候」のヘソ出してひたすら踊ってるバカ役が自由でいいですぜ。

>fjk78deadさん こんばんは。

正直、目が座ってる(地顔)くらいしか
僧侶役合っていなかった気がします
というか、主人公なのにそうじゃないから
余計 ある意味で思い切り外さなかったら誰でもいいような。
とはいえ、
言語を中国語のほうで見たのですが、そちらはさすがでした
数か月で中国語ってのは難しいでしょう
役者ですね

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