
【概略】
1892年8月4日の白昼、資産家の名士・ボーデン家で連続殺人事件が発生。容疑者として名指しされたのは、末娘のリジー・ボーデンだった…。
スリラー
.0★★★☆☆
リジー・ボーデン事件を題材にした作品。
クリスティーナ・リッチさん主演です。
傲慢な父親の元で過ごすうそつきで奔放な末娘リジー。ある日彼女は父親の遺体を発見する。しかし、生真面目な姉と違って「興味深い」とか、両親が亡くなったのに不可解な言動をするリジーに、姉も違うと思いつつも疑いを持つ。血痕がついていたらしいドレスを燃やした事からも犯人だと疑われ、ついには警察に起訴され拘置されることになる。しかし、裁判の途中で、似た事件の犯行があったことが判明し…。
色んな幻想のような事実のようなシーンが散りばめており、あったのかなかったのかわからない情景が浮かび上がります。結果は無罪。
しかし、誰もその無罪を信じているものはいない。
「リジー・ボーデンの歌」ができているように、その犯罪はある種の御伽話になっていくのです。
……………
実際のリジー・ボーデン事件と聞いて思い浮かぶのは、とにかくその日は猛烈に暑かったらしいと言う事。
1892年8月4日、ボーデン家の次女リジーが、ソファで仮眠中の父親が殺されているのを発見。70歳の銀行家アンドリュー・ボーデンは手斧で顔を11回も斬りつけられ、鼻は削がれ、左眼は二つに裂かれて眼孔から飛び出していたというから、とても人間業とは思えないような凶行だった。間もなくアンドリューの後妻アビーも2階の客間で俯せで倒れているのが発見された。やはり手斧で後頭部を19回も殴打されていた。
リジーが継母を憎んでいることが判明し彼女に容疑がかかるが、地元の名士である事から外部が動いて無罪となった。1927年に死ぬまで悠々として生きた。
動機は具体的なことが判明していて、所有する牧場を後妻の名義に変えようとしていた当日だったという。しかし財産目的だったにしては随分と残虐な殺し方であるからして、リジーには実は定期的に失神する症状があったことから、癲癇の発作がそうさせたのではないかという見解があるとか。一種のトランス状態に陥り、理性が働かないままに凶行に及んだのではないか…と。その日が猛烈に暑かったというのも、失神凶行状態を起こすきっかけになっていたのかも。
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