
【概略】
NATOの諜報部員の情報が記録されているハードドライブが強奪され、ボンドは敵の組織を追跡するが…。
アクション
.0★★★★☆
復讐とMI6壊滅を目論む元“00"(ダブルオー)エージェント VS ジェームズ・ボンドという構図で繰り広げられるクレイグ・ボンド三作目。
ちょうどちゃぴちゃぴさんと「エロイカより愛をこめて」についてコメントしあったところだったので、なんとなくNATOだとかエージェントという単語に敏感になってしまってますねえ(笑)
「M」のジュディ・デンチさんが、大きくストーリーに関わってくる。ボンドガールの印象が薄い分、ある意味でMがヒロインなのかもしれません。悪役にハビエル・バルデムさん、さすがに印象も強く存在感が抜群。ボンドがなりえたかもしれない立ち位置にいる分、怪演が求められるのでしょうが、少々物足りなかったかなとは思う。今回「Q」が久々に登場ってことで楽しみにしてたのですが、「パフューム~ある人殺しの物語」のベン・ウィショーさんでした。

冒頭のアクションから魅せます。誤射による絶命の危機にテーマ曲である「スカイフォール」が流れる。相変わらずセンスのあるOP。ボンドは死んだものとみなされて、Mのもとに上官であるマロリーがやってくる。
今回はボンドの過去に遡り、ラストのアクションはボンドの生家でってところが、50周年記念っぽい。
世代交代がテーマなのかな。“00"(ダブルオー)の庇護者であるM、彼女が守ってきたもの。柔ではなく鋼鉄な意思が感じられる母性ではありますが、ボンドが負傷した時に見せる横顔、マロリーが審問会ではMを守り影で支援していたこと、また彼が彼女の築き上げたMI6に敬意をもっていること。遺志を継ぐ者(新たなM)として次回作に続投になるのでしょうか?また、ボンドはといえば、カジノ・ロワイヤル、慰めの報酬でまだ青くさいボンドが、今作ではついに成熟したという意味合いでの新たなボンド誕生の話だったようにも思える。

ボンド同様、敵であるシルヴァも孤独な出自だろうし、Mへの愛憎する感情に振り回されるその姿は哀れにも見えた。Mを守ろうとするボンドと対するシルヴァ、シリアスにかつハードにと演出されるなか、敢えていえば同じ境遇同士の戦いは、ただただ哀しい。
何となく勝手に三部作と思っていたけれど、クレイグ・ボンドは続くのだろうか?次回作はどうなるのか気になる!
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