
【概略】
1989年のクリスマス・イブの夜。イースト・ヴィレッジにある古いアパート。家賃を滞納し電気も暖房も止められた一室に暮らす元ミュージシャンのロジャーと映像作家志望のマーク。階下にはヤク中のダンサー、ミミ。一方、マークの元彼女モーリーンは、現在レズビアンのジョアンヌと交際中。そんな中、一帯の再開発で彼らの居場所がなくなろうとしていた。
ミュージカル・ドラマ
.5★★★☆☆
名曲がっぽりだと思うんです。有名ミュージカルの映画版ですね。
テーマ曲ではじまる冒頭「人生の1年をどう計る? 愛ではどうだろうか?」
家賃(レント)を払えないような生活…というのにあまり実感性がないですね。日本人でいう一般的な家賃どうしよーと彼らの家賃どうしよーは、かなり状況が違いすぎます。暴力、貧困、犯罪、エイズ、薬。下地となる安定した生活がないから、未来へ向かって夢を見るだけ。それでもこの瞬間を生きている彼ら。勿論こういう世界は日本にだってあるんだろうけれど、日本では滅多にないと思います。どうしても貧困とエイズ・ドラッグ問題は切り離せないのね。安全な生活環境にある私達からしてはそもそもなぜ手を出すのかさえよくわからない。
それにしても各々の曲の歌唱の力強さとリズム感が素晴らしいですよね。
「命が尽きたとき、哀しむ人はいるのだろうか」
重苦しいテーマなものの、真摯な心情をうつした曲は心をうちます。重い内容でも彼等自身は明るい。夢か、金か、愛か、命か。人生の謳歌というのか、苦悩はあっても前向きに生きる姿には勇気をもらえますね。
まあ、オイオイそれはないだろうって歌詞もたくさんあるんだけど。それによく考えたら最終的に家賃問題は簡単に決着ついてるんだよね^;
ほとんどがオリジナルキャストなんですね、とにかく歌が上手すぎる、躍動感に溢れています。(モーリーンのステージシーンはいらない部分多いとは思うけどね)。
愛から逃げないで、夢は曲げたくない、ありのままの自分を受け入れて。
ミュージカルが苦手な人はこれはさすがに無理かも、他のミュージカル作品と比べて圧倒的に歌が多い。全編が歌といってもいいくらい。やはり舞台版で見てみたいなあ!
エンジェルが素晴らしい。地下鉄でポールでまわりまくるコリンズと遊歩道で愛を得る二人のシーン、街を見下ろした序盤のロジャーの歌、センターでの歌、教会でのシーンが好きです。
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