
【概略】
18世紀、ロンドン。地図製作者のジョナサンは、トランシルヴァニアの未知の土地を地図に書き加えるための旅に出た。カルパティア山脈を越えたところで、彼は外界から孤立した小さな村を発見。そこでは、人々が村の中に潜む魔物の影に怯えながら暮らしていた。偶然に迷い込んだジョナサンは、この魔物の謎を解き明かし、村人たちを救うことができるのか!?
ファンタジー
.5★★★☆☆
レンタル店のおススメランキング50位のところにあったので、ついでに借りてきてみた本作。
タイトルのヴィーとあるとおり、1967年ソ連のホラー作品の「妖婆 死棺の呪い」のリメイクにあたる作品らしいです。リメイクとは言っても単なる焼き直しじゃなく、新たな構想を持っての、お金をかけたリメイクと言ったほうが正しいかも。
童話的な魔女話だった「妖婆 死棺の呪い」は、死んだ美少女の棺を見守っている主人公に、わけの分からない妖怪がうようよ現れてくるのが面白かったのですが、本作では主人公は地図学者となっており、怪しげな村にやって来て、妖怪を利用した殺人事件の謎を解き明かすというストーリーになっている。
ただし、作品全体のおどろおどろしさは健在で、かなりのダーク・ファンタジーぶり。
ホマーは冒頭で死んでしまいます。「妖婆 死棺の呪い」でクライマックスである部分が最初に来ます。途中、どんな恐怖がホマーを襲ったのかなどが話されると言う形で映像でわかるのですが、これがなかなか迫力があって、話の筋は対して変わってないのに、凄く素晴らしい。VFXもかなりしっかりしているし、悪魔(魑魅魍魎、妖怪たち)が素晴らしい表現で、ヴィーも、まさかこうだとは思わなかった!!
地図学者は、亡くなった美少女の死因を突き止める代わりに命を奪わないと言う約束をする。娘の弔いをしたいという村の地主の男は、金貨1000枚で彼に地図を書かせると言う名目で、娘の死の真相とホマーらに何があったのかを探ろうとしているのだ。
実は悪徳司祭だとか、ホマーにあげるはずの金を山分けにしたその仲間二人だとか、邪魔する人間も絡んで、話は予想をいい意味で裏切るように転がっていきます。
最初は微妙かなと思ってたんですが、これがなかなか面白い話で、次第に引き込まれてしまいました。
最終的に、地図学者はヴィーと思われた「羊の皮を被ったなにものか」が誰なのかというのを探るため、村人たち全員を教会へと導きます。
実は生きていたホマーの告白は驚くべきものでした。やっぱり悪徳司祭が一番悪いんだよね。パンノチカを陵辱し殺し、全てをホマーのせいにした。パンノチカの死を目の当たりにしおかしくなったナストゥーシャは自分を救った「怪物」にご飯を毎日運んでいた。従者ペトルスはナストゥーシャを助け、司祭の告白は村中の人々が耳にした。そして十字架のイエスが落ちてきて…。ラストの「俺の目を見つめながら、永遠の業火に焼かれるがいい」というヴィーと司祭とのオチも良かった。
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