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マザーハウス 恐怖の使者

2018/01/10  13:41
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【概略】
1981年のベネズエラ。失業中の夫とふたりの息子と暮らしていたドゥルセ。11月11日、次男が事故死し深夜に夫が殺され、長男が忽然と姿を消してしまう。
製作年:2013年
製作国:ベネズエラ
収録時間:101分
ジャンル:ホラー

.5★★★★☆
11月11日、11時11分 惨劇の時が刻まれる。

3つの時間軸が『同時に』家の中に出現する超展開には驚いた。しかも混同しない。これは構成が非常に巧みである。

・2011年11月11日。老母が生きている現在。
・1981年11月11日。30年前の惨劇の夜。弟のお葬式の夜だった。
・お葬式の数日前の夜。謎の侵入者がきた夜。

つまりこの家は「時間を超えて人々が空間を共有」するのである。というかそれしか考えられない現象が次々に起こっている。

後半は、もうほんとに「ええっ、まさか!なんと!」と驚かされまくり、そしてラストは涙腺がジワッと…。

母ドゥルセが、息子にお守り代わりに与えるムーンストーンの使い方も巧いし、それが人の手に渡りわたって、今どこの時間軸にあるのかってのも結構重要になってくる。レオが母に差し出したメモや家の代々の失踪人など、ちょい謎めいた伏線の作り方も巧い。この緻密極まりないと思える脚本を、見事に映画として活写し見ている側を翻弄。しかし最後は感動でしめくくるあたりも、巧い。

冒頭、夫の死体を発見して慄く女性。そして遺体の傍らに自分の息子が。しかしこの息子が闇にニューンと引っぱり込まれさらわれた。一体どこに。なぜ?そして彼女は翌朝夫と息子殺しの容疑で逮捕される。

30年経ち、終身刑の女囚が高齢になると、どうやら自宅軟禁にかわるらしい。家の周りには警察官がいて、外には出れない。彼女は、夫と息子がいなくなったこの家に30年越しに戻ってきた。そして40代くらいの神父が彼女を訪ねてくるのである…。いったい30年前に何があったのでしょうか、というお話。

1981年某日。母ドゥルセは長男の息子レオに、お守りのムーンストーンをあげた。「こわい目に遭ったら、これをギュッと握ればいつでも助けにいくからね」と。この母の台詞をよく覚えておくと後半それが活きて来る事がわかります。

その夜夫と口論をしたドゥルセは秘密の引き出しからある手紙を眺めていた。夫はバーに酒を飲みに行き、ひとり寝室にいたとき、誰かが扉を尋常じゃなくノックした。恐ろしくなったのだが、この時は何事もなく終わった。翌日、レオが何かを見たらしい。女と出会ったという。女はレオに「弟と遊んではいけない」といい、さらに、メモを渡し「これをママに渡しなさい。中身を絶対に見ちゃいけない」といったのだとか。レオは母にメモを渡した。母がおそるおそる開いたら、「夫が息子を殺す」と書かれてあった。

後日。例のメモのせいで、夫婦仲は極端に悪くなる。妻は占い師を家に呼び、子供たちはというと、元気に遊びまわっていた。弟ロドリゴはサライという少女にムーンストーンをあげて、「こわい目に遭ったら、これをギュッと握れば、ぼくが助けにいく」という。これは母がレオに述べた台詞と同じなので、この場面を見る限り、母は子供たちにひとつづつムーンストーンをあげたんだなと思えるが、じつは違うのである。

1981年11月11日。事故死したロドリゴのお葬式。葬儀が終わるが、最後にマリオという名の少年が残る。レオとマリオは「仲間は君だけだ。ひとりにしないで」「ずっといっしょだ」と二人だけの特別な握手をする。そして、この日の夜、惨劇は起きた。
2011年11月11日11時11分11秒。その現象は起きた。老母ドゥルセの目前で、30年前のロドリゴのお葬式の夜が再現されるのであった。夫はひとり部屋にいて、なんと秘密の引き出しからレオが実子ではないという手紙を発見。妻は事実を隠して今の夫と結婚したのだった。これを読んだ夫は逆上する。

その頃、同じ家の中で、レオは不思議な体験をしていた。死んだはずの弟ロドリゴにレオは母からもらったムーンストーンを手渡すのです。てなわけで、弟ロドリゴがサライちゃんにあげたムーンストーンは、このときにもらったものだったんですね(この時のロドリゴは数日前のロドリゴ)。

お葬式の数日前のレオは、ある女と出会っていた。それは…2011年の老母ドゥルセ。
一方で唐突に30年前の現場に放り込まれた老母ドゥルセも動転し、それでも彼女なりに考えを巡らせて「息子たちが死なないように」とメモと言葉をレオに残した。しかしレオは弟と3日だけ遊ぶなという事は忘れてしまった(子供だからね)。

またナイフを持った謎の老人は何者であるかというと、彼は2071年からきたレオだったのだ。ナイフをもっていたのは危害を加えるためでなく、「これを使って息子(つまり自分)を助けてください」という意味であったのだった。

そんな話をしている最中、階上では、お葬式の夜が再現されていて、レオが夫に追われている。 「ムーンストーン」が物語の重要なキーなのですが、老母はびっくりしたがムーンストーンが出てきて「息子だ」とわかり、老人のいう通りにする。つまり、レオを助けるため、夫をナイフで殺したのだ。そこに、1981年惨劇の夜の自分がやってくる…。

しかしそこでレオが闇にさらわれたのは、実際には老人レオが老母ドゥルセに述べた台詞ゆえである。彼いわく「(自分には)先天性の心臓病がある。レオの実父が死んだのと同じ病気で早死にする運命。でもいまのあなたならぼくを救える。80年代には不治の病だったが、2011年なら治療できる。だから彼をあなたの時代に連れていってくれ」というようなことを言ったので、迷った末、老母ドゥルセは、レオをニューンとさらってしまった。これが真相だった。

1981年のあの夜。夫を殺したのは2011年からきた老母ドゥルセだった。息子レオをさらっていったのも老母ドゥルセだった。 ここでぞわーーーとした(凄い話だ!という感動)。

老母は神父にすべてを話し、子供レオを彼に託す。でもね、なんとね、この神父が、実はレオが葬式の日に握手した子供時代の友達のひとりマリオだったんですよ。ここでまたぞわーーーとした(感動でね)。さらに通りを歩いていた女性がレオを見てびっくりしてるんだけど、この女性がムーンストーンを持っている。つまり弟ロドリゴがあげたムーンストーンをもっている少女サライちゃんがこの女性だったのだった。

ただ、なぜ父親(義父)はレオを殺そうとまでしたのかが謎ではある。妻の秘密の手紙を読み、いくらレオは実子ではなかったと知ったからといっても、それまでは大切に育てた息子ではないか。失業中で妻とは言い合いになってるし、自分の息子は事故で亡くなるしでついカッとなっちゃったんですかね。事故とはいえ、レオのバッティングで飛んだ球で亡くなった事だし。俺の息子ではない→俺の息子を殺した、という風に?

非常に巧みな構成の話で、後半が特に怒涛の展開。面白い。
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