
【概略】
車のトラブルで寒村に迷い込んだ歌手のマルクは、助けてくれた初老の男の警告を無視して、禁断の村に足を踏み入れる。
ホラー
.0★★★☆☆
売れないシンガーが迷い込んだ、地図にも載らない小さな村。その閉ざされた村で炸裂する血、豚、破壊、底なし沼、変態地獄の数々…。「なんで僕がこんな目に! 僕はなにもしてないのに!!!」その凄惨な猛地獄の果てに繰り広げられる狂気のダンス!森に轟く断末魔の叫び!本当に恐いのは人間だ…。
これ、変態っていうか狂人村というか。気持ち悪さがというよりも、何もない田舎で極限まで飢えているが故の狂気が恐ろしい。要は、歌手の青年が、迷い込んだ寂れた村で村中のこ汚いおじさんに輪姦される話だよ。「言ってくれ。俺を愛していたと」または、愛の物語か。
変態とか狂人といっても、ハリウッド映画の作るようなおかしい人ではなくって、「あれ…なんだかこの人、おかしいぞ」とにおわせる異常性、リアルに存在するかのようなところがかえって不気味です。燃やされるトラック、異常な人々、豚の鳴き声、不気味なダンス。じっとりと汗ばむような不気味さがストーリー全編に満ちている。
グロリアがどんな人物だったのかはわからないが、村とバルテルの心の中での「グロリア」は愛そのものだったのかもしれない。彼らに足りないのは、愛情だったのかも…。「女を探せ」とか、どうみても女じゃないのに、グロリアだと、またバルテルが自分たちにないもの(所有物)を持った瞬間に対象物が「グロリア」になったのでしょう。
持てる者と持たざる者といってしまえば格差社会のようですが、ある意味で「グロリア」を所有してるかしてないかの格差ではあったのかもしれない。
- 関連記事
コメント