ブルー・リベンジ
2018/01/10 13:49
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.0★★★★☆
復讐。ただ、それだけが生きる理由。
見ている間は、結構ドン臭い主人公の行動にイライラするんですが、当たり前だけど彼は一般市民であって、殺し屋でも特殊部隊出身でもない。一般の人が、復讐で人を殺す。これが、どれだけ難しいのか、そして虚しいのかが描かれている作品でもありました。
両親が殺された車に乗って、「復讐するんだ、復讐するんだ」と気持ちは高めてはいても、実際に、人、簡単に殺せます?しかもこの主人公ドワイトは、銃ではなくナイフで直接刺すという方法を選ぶのですから。
犯人ウェイドへの復讐は完遂する。しかし、犯行時のなにやってんだ的行動(犯人の乗ってた車をパンクさせた時に傷を負い、いざ帰ろうとしたらキーを落としてて結局自分の乗ってた車を残してパンクした車で逃走)により、今度は犯人ウェイド側の家族の復讐を受ける羽目になるのです。そのため、ガンマニアの学生時代の友人ベンにやっつけ銃をならったり、姉サラのもとへいったり(このとき「十分苦しませたのか」と聞かれるんだけど、ここでドワイトが「被害者家族代表」と言う重責を求められていた事がわかります)。
ドワイトが復讐に燃えるヒーローではなく、気の弱いトホホな人間だからこそ、逆に言えばリアルであるし、その彼が復讐を果たすという事に、どれだけの勇気がいったかがわかる。
しかし、ドワイトが復讐を果たしたかに思われた相手は、一番下の弟が「ぬれぎぬだよ!」といって走り去ったとおり、実は真犯人ではなくその癌だった父親が犯人であって、そもそもの原因はドワイトの父親と犯人家族の母親が不倫関係にあったことなのです。父親が癌だったから息子がムショに入ったのです。
復讐が無益なものである事を知りつつも、犯人家族が復讐の復讐を企てている以上、ドワイトにはそれを阻止するほかに命を守る手はないのです。
一家、VS一家のような構図、犯人側の一番下の弟は、ドワイトの父親の息子でもあるのです。つまり半分血のつながった兄弟。ラストでウェイドたち一家の家に潜んで待っていたドワイトは、残りの家族と対峙するのですが…一番下の弟、彼だけが生き残るのでした。
なかなか面白い作品でした。