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ガタカ

2018/01/20  21:54
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【概略】
遺伝子工学の発達によって優秀な遺伝子を組み合わせて生まれた「適性者」が支配し、人間の生活も固定化されてしまった近未来。不適正者として生まれたビンセントは宇宙飛行士を夢見ていたが、それはかなわぬ夢だった。しかし、彼はDNAブローカ一の紹介でジェロームという青年の適正者IDを買い取る。ジェロームになりすまして宇宙局ガタカの局員となったビンセントは…。
SF



.0★★★★☆
近未来物ですが、この世界はすでに遺伝子の優劣で物事をすべて判断する社会に変わっています。そんな世界で生まれながらにDNA資質差別を受ける主人公にイーサン・ホーク、半身不随のエリート適正者にジュード・ロウ、心臓に欠陥をもつヒロインにユマ・サーマンがそれぞれ演じています。

不公平な世の中です、生まれる前から人生が全て決まっている(どのように死ぬか傷病の可能性や肥満眼鏡ハゲ、そんなのもわかり、そしてそれを受精のときすでに排除することもできる)。自然に産まれたいわゆる「神の子」より、遺伝子操作され造られた人間が望まれた世界。

ジュード・ロウがまさにエリート然とした美しさと気品をもつ存在感でした。そして例の階段での演技力も素晴らしい。イーサンさんと比べるとそれが余計に際立っていましたね。配役が上手いです。完ぺきすぎる遺伝子をもつ彼の苦悩も痛々しさを感じるほどよく演じられていました。寿命も長く不死身のような肉体に超人的な知能レベル。 何をしても成功し自分より優秀な相手もほとんどいない。 そして何か成し遂げてもそれは「当然だ」と思われる。

私は優秀な人間ではないのでうらやましいと思う側だけど、でもそれが果たして人生に意義が見出せるのかと考えると、これでは自己認識を喪失してしまう可能性が高いだろうと容易に想像できる。何でも出来ることがかえって彼にとっては「何も出来ない」事と同じだったのかも。事故を起こした最初から死ぬつもりでいたものの、彼はきっと最後にヴィンセントの中に自分では出来なかった「夢見ること」を夢見たんでしょうね。

暴力的傾向がないとされていた上司が犯人で、寿命が尽きているはずのヴィンセントはまだ生きているし不適合者である彼はあらゆる困難に打ち勝ってきていた。「何が出来て何が出来ないか、決め付けるな」設定された性質が全てではないということ。彼が困難に打ち勝ったのは、夢に向かう努力は勿論、ただ全力で前へ、前へと進んでいったからなんでしょう。ただひたすらに、前へ。自分を全て消すために、垢や角質DNA全てを細かく洗い流し、自らを汚いものと同じように体をこすり洗うヴィンセントの身を丸めた姿には哀しみさえ感じられた。
とても切ない作品でした。

ヴィンセントとジェロームとの奇妙な共生と友情、コンプレックスを打開した弟との確執(捜査官が弟とは気付かなかった…!)SFとはいってもアクション性の高い作品ではなく、ヒューマンドラマでした。胸にせまるような旋律のテーマ曲もとても素晴らしかった。
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