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さよなら子供たち

2018/01/09  10:20
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【概略】1944年1月。休暇から寄宿舎へと戻ったジュリアンのクラスに、ジャンという転入生がやってくる。成績優秀なジャンはなかなか級友たちと馴染もうとしなかったが、読書という趣味を通して、次第にジュリアンに心を開きはじめる。そんなある日、好奇心からジャンのロッカーを盗み見たジュリアンは、ジャンの秘密を知ってしまう…。
ドラマ



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1944年、ドイツ占領下のフランスで12歳の少年ジュリアンは寄宿学校に通っていた。クリスマス休暇明けのクラスにボネという転入生がやってくる。彼にはある秘密があった。実はユダヤ人であり、ジャン神父(校長)の計らいでこの寄宿学校に匿われているのだ。それをジュリアンは彼の荷物を盗み見たことで偶然知ってしまう。だがそんなこととは関係なく、2人は徐々に関係を深めていく。一緒に森で迷子になり、映画を観て笑い、ピアノを連弾、夜には発禁本を2人でこっそり読み明かす。ボネのお祈りをこっそり見つめるジュリアンの表情がいい。なにかわからないけれども気になるという様子だ。戦争とは無縁の無邪気な時間が流れていた。

しかしそんな平和な日々は長くは続かなかった。

食料を盗んでいたのがバレて解雇された料理番のジョセフが、学校がユダヤ人を匿っていることを腹いせにゲシュタポに密告したのだ。突然学校にやってきたゲシュタポによってボネたちユダヤ人とジャン神父は連行され、学校も一時閉校となるのだった。ゲシュタポがクラスに来たとき、ジュリアンはついチラッとボネをみてしまうのです。

1944年1月と言えば、パリ解放(8月)まであとわずかという時期である。もう少しでユダヤ人も逃げ隠れせずにすむ時代がやってくる…しかしその「あとわずか」というところで、ゲシュタポが学校にやってきてしまうのだ。なんという運命!

連れ去られていくジャンに小さく別れの合図を送るジュリアンは、子供ながらこれが永遠の別れになることを理解していた。ボネは振り返ってジュリアンを見た。これが最後だった。その冬の出来事は永遠に彼の心から離れることはなかった。3人の少年はアウシュビッツで、ジャン神父はマウトハウゼンで死んでしまった。

この作品には、戦場も収容所も、むごたらしい戦争の現場は全く映し出されません。それでいて戦争の残酷さを痛いほど訴えかけてきます。密告者のジョセフは、寄宿学校の調理場で働く青年で、寄宿学校の生徒たちとあまり変わらない年頃に見えますが、恵まれた家庭の子弟である寄宿学校の生徒たちとは対照的に、ジョセフは貧しく、家もなく、足も不自由でした。学校を追い出されたら寝る場所さえもない彼は解雇した神父を逆恨みし、また金欲しさに学校がユダヤ人を匿っていることを密告するのです。
劇中、チャップリンの映画を、神父や教師、生徒、寄宿舎の使用人たちも皆揃ってみるシーンがある。この後裏切る事になるジョセフも、彼の密告で命を落とす神父も、ジュリアンもボネも、みな一様に笑いあっている。こういう幸せな日々もあったはずなのに。

去り際、ジャン神父が生徒たちに向かって言う「さよなら、子供たち。また会おう」。「オールヴォワール、レザンファン」。この台詞ですが「アデュー」と違ってもう一度会うことを前提にした別れの挨拶なのです。もはや子供たちとは生きては会えないことを知っているジャン神父のこの挨拶にこめられた意味は、とても深いものがあります。子供たちが大人になった時、この時神父が言った言葉がとても重かったと言う事に気づくのでしょうね。
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